2011年03月24日

TRUE GRIT

説明しすぎないカメラワークの心地よさ。さりげな〜い背景も、人物にフォーカスされた遠近感も、フィルムのテクスチャーも。それから色も。す〜っと入って来たよ。カメラに近い視点で観れたからかな。思いっきり寄ったり、誰だかわからないよ〜ってくらい引いたり、横顔を眺めたり。一冊、読み終えたような。

それから俳優たち。間違いなくブリッジスはブリッジスで、デイモンはデイモンなんだけど、ブローリンもバリー・ペッパーも、他の作品で何度も観てる俳優なのに、誰だかわからないくらい物語の中に居た。ミラクル。すごいね、コーエン兄弟。だけどやっぱり今回も、過剰でしたよ(笑)。時々。この過剰さがたまらなく好き。今回も消える魔球のストレートでした。

西部劇だと言われれば確かにそうなんだけど、もはやファンタジー。っていうか、アドベンチャーでミステリーで、そして、ラブストーリー(!!!)。揺るぎないマティの意思が、それが物語。とにかくね、コグバーンを観てほしい。ほんとうのことって摩訶不思議。ほんとうのことってホラーだし、ミステリーだし、だから時々ファンタジーだったりするのね。ぜひ劇場で !!!

true-grit公式サイト >>
ハヤカワ文庫「トゥルー・グリット」>>
サントラはこちら >>




余談だけど震災前直前に「東京国際ゾンビ映画祭」に行ったよ。
ん〜。ホラー満喫。でも時期が時期なので詳しい話はまた後日。
おすすめは「コリン」。ゾンビ好きは見逃すな〜。  
Posted by 真 at 11:40 |livedoor clip!
2010年06月07日

真実の行方|グレゴリー・ホブリット

主役を喰ってしまうと評判のカメレオン俳優エドワード・ノートン。彼の映画デビュー作ってことで観たんだけど、やっぱりギアさん喰われ気味(笑)。野心家の弁護士を演じるリチャード・ギアは、どこを切っても「リチャード・ギア」な面白さを逆手に取ったキャスティングでハマってる。その弁護士がノートン演じる青年を無罪にするべく戦う法廷サスペンス。
殺されたのは司教。青年への司教による虐待。そしてその青年は二重人格だった。片方の人格は無罪を主張し、もう片方は自白する。彼は無罪か有罪か、それとも…。二転三転するストーリー。裁判は弁護士有利で進んで行くが、ラストで新たな真実が…。ひぇ〜。ぞぞぞっ。無罪を勝ち取った弁護士は、最後に呆然と立ち尽くす。思い込みによる真実。都合よく作られた真実。真実は何処へ…。余談だけど、ノートンとデニーロが再び組んだ新作「Stone」。デニーロなら喰われないでしょうし、楽しみですね。できれば年内に日本公開してほしいものです。

映画「真実の行方」原題:Primal Fear(1996年/アメリカ/129分)
原作:ウィリアム・ディール『真実の行方』福武文庫(絶版)
製作:ゲイリー・ルチェッシ
監督:グレゴリー・ホブリット
脚本:スティーヴ・シェイガン、アン・ビダーマン
撮影:マイケル・チャップマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:リチャード・ギア、エドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンド  
Posted by 真 at 06:00 |livedoor clip!
2010年06月02日

ブエノスアイレスの夜|フィト・パエス

過去を忘れて人生をやり直す。な〜んてことではなく、強引だろうが何だろうがぜんぶ引きずって泣きながらガンガン進むのね。人生はそもそも悲劇なのだと。そんなタフさと大らかさで、愛を手がかりにそこから抜け出そうとしてるうちに、人生終わっちまうぜ、みたいな。スペ語圏独特の人生讃歌とも言える作品。

この作品の背景にあるのは実際に軍事政権下のアルゼンチンで10年続いた弾圧なんだけど、その悲劇を20年後に舞台を移して、今を生きてる主人公の個人的な愛の物語りとして描いてるのね。過酷な経験から誰も愛せなくなった主人公カルメンと軍人を父に持つ青年グスタボが、依頼主と高級男娼として出会って、惹かれ合い愛を再生させてゆくが、話はそう簡単ではないわけ。

カルメンの過去に一体何があったのか、映画の後半まで語られないんだけど、そのなかなか解らない感じが抑圧されたカルメンと重なりつつ話は進み、解る頃にはもう、それが重要な要素ではなくなってるのね。過去の事実は事実として消えないのだけども、彼らを “犠牲者” として描いてないわけ。原題を直訳すると「私生活」なのね。

カルメンが映画の最後で「そう悪くない結末だわ」と呟くんだけど、その表情が暗くも明るくもなくて、何とも説明しようのないフラットさ加減なの。過去と未来がそこに集約されてるような、えも言われぬ説得力なんだよね。ぎりぎりなの。切羽詰まってるとかじゃなくてね。ぎりぎりなわけさ。

VIDAS PRIVADAS|ブエノスアイレスの夜|セシリア・ロス、ガエル・ガルシア・ベルナル原題:Vidas privadas(2001年/アルゼンチン・スペイン/105分)
監督:フィト・パエス
脚本:フィト・パエス、アラン・パウエル
撮影:アンドレス・マッソン
音楽:フィト・パエス、ヘラルド・ガンディーニ
製作:マテ・カンテロ、ステファン・ソーラ
制作総指揮:フィト・パエス、アレハンドロ・クランシー
出演:セシリア・ロス、ガエル・ガルシア・ベルナル
配給:アット・エンタテインメント  
Posted by 真 at 20:00 |livedoor clip!
2010年05月19日

25時|スパイク・リー

俳優トビー・マグワイアの初プロデューサー作品で、プロデューサーにはジョン・キリクも名を連ねる。撮影はイニャリトゥ監督作品に欠かせないロドリゴ・プリエト。原作「25時」はデイヴィッド・ベニオフのデビュー作。この作品の脚本も書いた原作者ベニオフが監督と主演俳優に指名したのが、スパイク・リーとエドワード・ノートン。ってことで、やばいね。

エドワード・ノートン演じる主人公モンティは既に逮捕され7年の実刑が確定している。そのモンティが収監されるまでの自由な時間、24時間を描いた映画。25時はそれが終わる時間だ。確かクローネンバーグ監督の「イースタン・プロミス」を観た時にこのブログで「何とも言えない映画です。観てない人に説明なんかしたくない映画です。」と書いたけど、この作品もそう。

これはアメリカ映画なんだけれども、いわゆる白人映画ではないのね。スパイク節が随所に散りばめられていて、アメリカとニューヨークの抱える色んな側面が映し出されるけれども、どの国の人でも観れる映画として作られてるのがいい。
ありえない展開や嘘みたいな事は何も起こらず、淡々と刻々とモンティの24時間は過ぎて行くのね。観客は主人公モンティがどうなるのか展開を解って観てるわけ。その24時間に、誰と会うのか、片づけておくべきことは何なのか…。カメラと登場人物との距離感がすごく好き。何しろエドワード・ノートンが最高!

スパイク・リー監督「25時」原題:25th Hour(2002年/アメリカ/136分)
原作:デイヴィッド・ベニオフ『25時/25th Hour』
製作:トビー・マグワイア、スパイク・リー、ジュリア・チャスマン、ジョン・キリク
監督:スパイク・リー
脚本:デイヴィッド・ベニオフ
撮影:ロドリゴ・プリエト
音楽:テレンス・ブランチャード
編集:バリー・アレクザンダー・ブラウン
出演:エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、
   バリー・ペッパー、ロザリオ・ドーソン
●スパイク・リー監督「25時」公式サイト >>

25時 (新潮文庫)25時 オリジナル・スコア(CCCD)映画「25時」スペシャル・エディション [DVD]
以下、予告編です。  Continue>>
Posted by 真 at 06:30 |livedoor clip!
2010年05月12日

魍魎の匣|原田眞人

説明不要の大人気「京極堂シリーズ」映画化の第二弾。メインキャラの5人が猟奇的な美少女連続殺人事件の謎を解いて行くミステリー。撮影に2年もかけたという意味は不明だが、原作の一部を大胆に省いてメインキャラに焦点を当てた脚本と、時間軸が前後する構成は面白い。阿部寛が何をやっても「阿部寛」なのが個人的にウケた。
舞台は戦後すぐの東京。京極堂という「憑物(つきもの)落とし」とその仲間の小説家、探偵、刑事、京極堂の妹がメインキャラ。で、問題は柄本と宮藤。この二人の人柄が良さそうで猟奇的殺人犯に見えないのが何とも困った。ちっとも恐くないバラバラ殺人犯のおかげで作品がほんわか。でも高級な火スペと思えば充分に楽しめる。原作が面白すぎるので仕方ない。
余談だが、映画化の第一弾「姑獲鳥の夏」を撮ったのが実相寺監督だったわけです。このシリーズは故・実相寺監督が撮るべきだと誰もが解った中で2006年に他界。だからもう仕方がない。今回の第二弾はあえてポップに仕上げたんだと思われる。

京極夏彦『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』講談社文庫原田眞人監督作品「魍魎の匣」原作:京極夏彦『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』
監督・脚色:原田眞人
脚色協力:猪爪慎一
撮影:柳島克己
編集:須永弘志
音楽:村松崇継
出演:堤真一、椎名桔平、阿部寛、田中麗奈、
   宮迫博之、柄本明、宮藤官九郎
2007年/日本/133分
映画「魍魎の匣」公式サイト >>  
Posted by 真 at 13:00 |livedoor clip!
2010年05月08日

ファーゴ|コーエン兄弟

登場人物は全員、何かが欠落してるんです。コーエン兄弟お得意のそんなはずじゃなかった的展開のブラックなクライム・サスペンス。1987年冬のミネソタ。主人公が妻の偽装誘拐を計画し、二人組に誘拐を依頼するが… 大変なことに。グロいシーンはかなりグロいですが、ネガティブなものを遠ざけないコーエン兄弟の器のデカさを感じる一本。
人生の不思議さを描いた映画は世界中に数えきれないほどあるけど、コーエン兄弟のそれはジャームッシュと同じで厚かましくないのね。深刻であればあるほど可笑しい。恐い作品が多いけど、実は残酷なグリム童話みたいに、あっけらかんとした明るさがある。カメラのアングルが面白い。各国で絶賛されただけあって見応えある作品だがコーエン兄弟には他にたくさん傑作がある。

コーエン兄弟「ファーゴ」原題:FARGO(1996年/アメリカ/98分)
製作:イーサン・コーエン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:フランシス・マクドーマンド、スティーヴ・ブシェミ、
   ウィリアム・H・メイシー、ピーター・ストーメア  
Posted by 真 at 16:00 |livedoor clip!
2010年05月07日

ジェリー|ガス・ヴァン・サント

2003年カンヌ国際映画祭で史上初となるパルム・ドール+監督賞のW受賞した映画「エレファント」の前年に撮られた作品。日本公開は2004年秋。「ジェリー」とは何だ?ってまず思うわけ。これはギャル語みたいなもので、例えばドジった奴に「ジェリったな」とか、ドジな奴をダイレクトに「ジェリー」と呼んだりする。
で、登場人物は二人だけ。二人ともお互いをジェリーと呼ぶ。その二人が、ヨセミテみたいな風景とソルトレイクの真っ白な風景の中を、飲まず喰わずで延々と彷徨い歩く。が、生還したのは一人だけ…。ジェリーに一体何が…。これは実験的な映画。だから退屈とか思っちゃいけないの。意味なんて問わないで。ただただ観よう。
映像がとても美しい。二人の会話が面白い。脚本は出演俳優の二人と共同で書かれてる。テンポも展開もストーリーも排除したかのようなガス・ヴァン・サントの新たな試み。かなり不思議で斬新すぎるアートな作品。ある意味ドキュメンタリー。映画とは何だろう。そんな声が聞こえてきそうだ。

GERRY原題:GERRY(2002年/アメリカ/103分)
製作:ダニー・ウルフ
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ケイシー・アフレック
撮影:ハリス・サヴィデス
出演:マット・デイモン、ケイシー・アフレック  
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2010年05月06日

ナイン・シガレッツ|ヒューゴ・ロドリゲス

面白かったよ。イギリス人を母に持つメキシコの俳優ディエゴ・ルナが、隣人を盗撮するハッカー役に扮した可笑しな犯罪映画。メキシコシティのある夜のお話。原題を直訳すると「ニコチン」。奇妙なヘビースモーカーたちが繰り広げるダイアモンド争奪戦が悲しくも可笑しい。室内の小道具とかも面白い。
スイス銀行にハッキングしたデータをダイアモンドと交換にロシアン・マフィアと取引するはずが、小さな間違いから事態は急展開。バンバン撃たれて大変なことに。どこかお人好しな男たちとキレまくる女たち。床屋や薬屋も巻き込んで欲望と不満が炸裂しつつテンポよく展開する。ヨーロッパでヒットしたのが頷ける秀作。編集と脚本がいい。

Nicotina原題:Nicotina(2003年/メキシコ・アルゼンチン・スペイン/90分)
製作:マルタ・ソサ・エリソンド「アモーレス・ペロス」
   ラウラ・インペリアレ「アマロ神父の罪」
監督:ヒューゴ・ロドリゲス
脚本:マルティン・サリーナス
撮影:マルセロ・イアッカリーノ
編集:アルベルト・デ・トロ
出演:ディエゴ・ルナ、ルーカス・クレスピ、ヘスス・オチョア  
Posted by 真 at 23:59 |livedoor clip!
2010年04月26日

コーエン兄弟|バーバー(2001年製作)

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…。っていうか、ブラックでハードボイルドなクライム・サスペンス。原題を直訳すれば「そこにいなかった男」。なんとま〜虚無的なタイトル(笑)。この時点でもう映画は半分観たようなもの。邦題は「バーバー」ですけどね。ニーチェの言葉を借りるなら「人間的、あまりに人間的な」主人公のお話です。

1949年の古き良きアメリカ。主人公エドは小さな街の小さな床屋で働く無口な男。ある事をきっかけに彼の運命がとんでもない方向に転がり出す。映画は最初から最後まで、過去を振り返るように語るエドの独白が入って、徹底的にエド目線。ニーチェの「この人を見よ」よろしく“エドを見よ”と。そーゆーことらしい。いっそ邦題はそのまんま「エド」でよかったのでは。

主人公のエドは、どーしよーもなくエドで、エネルギーを秘めつつも台風の目のよう。そこだけ風ひとつ吹いてない。でもエドを中心に渦はどんどん大きくなって結末に向かって加速する。と同時にブラックさ加減も加速。そのブラックさ加減が、噛めば噛むほど効いて来る。そしてその効いて来た先が、行き止まりでも袋小路でもない。

映画なので、2時間ほどの時間をかけて、ある意味、遠回しに描かれているわけですが、彼らの作品からはいつも、非言語的なものをドーンと受け取る。しかもそれが直球だったりする。彼らは変化球の達人なのに、観終わった頃、どこからともなく重たいストレートが飛んでくる。その見えない魔球をバシッと受け取った時、手が痛いんだよね(笑)。コーエン兄弟、恐るべし。

コーエン兄弟監督作品「バーバー」原題:The Man Who Wasn't There
製作:イーサン・コーエン、ジョン・キャメロン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、フランシス・マクドーマンド、ジェームズ・ガンドルフィーニ
アメリカ/モノクロ/116分(DVDはカラー版もあり)

ちなみに、左の画像は米国版の宣伝用キービジュアル。
以下、予告編です。  Continue>>
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2010年04月21日

渡辺武|なで肩の狐・凶殺(1999年公開作品)

な〜んだヤクザ映画か。と片づけたらもったいない。椎名桔平主演「なで肩の狐・凶殺」。少し薄まってはいるけど、花村萬月のあの感じとあの視線がよく撮れてると思う。おこがましくなくて、懐が深い。設定は原作と少し違っているんだけど、セリフはほぼそのまま使われているものもあって、それがまた良いんです。何でもないようで何とも味わい深い作品。

法律やら規則やらルールとやらでは括ることのできない男、キツネ。そもそも誰も括れるものではないと思うんだけれども、みんなその中に収まって暮らしてるのかもね。キツネは、はみ出しちゃってる。具体的に何からどうはみ出してるのかは観て感じればいいと思うけど、そこに向けられた視線が、花村萬月だよな〜って思う。だからどうってことじゃないんだ。

話はいたってシンプルで、主人公キツネ(元ヤクザ)の前に昔の仲間(現役ヤクザ)が現われて面倒に巻き込まれてゆく展開。そのキツネ役の椎名桔平が良い。湿った暗さがない。悲しくて可笑しい。でも決してタナトスまっしぐら!ではなくて、昨日とは違う明日になるであろう終わり方もいい。何をどーこーじゃなくてね、こーゆー作品を観ると、映画っていいな〜って、しみじみ思ってしまう。

映画「なで肩の狐」DVD原作:花村萬月『なで肩の狐』
監督:渡辺 武 「凶銃ルガーP08」「蘇える金狼」「リボルバー」ほか
脚本:吉川次郎 「つげ義春ワールド」「小森生活向上クラブ」ほか
撮影:安藤庄平 「ヌードの夜」「遠雷」「死の棘」ほか
編集:太田義則 「ソナチネ」「HANA-BI」「アウトレイジ」ほか
出演:椎名桔平、洞口依子、鶴見辰吾 ほか

なで肩の狐 (新潮文庫)  
Posted by 真 at 23:00 |livedoor clip!
2010年04月17日

クローネンバーグ|The Talking Cure → A Dangerous Method

先日このブログでも取り上げたクローネンバーグ監督作品のタイトルが「The Talking Cure」から「A Dangerous Method」に変更されたそうです。直訳すれば「危険な方式」とでもなりますかね。い〜ね。い〜ね。クローネンバーグ作品にピッタリなタイトルじゃ〜ありませんか。楽しみすぎます。しかも、新たにヴァンサン・カッセルの出演も決まったそうですよ。くぅ〜。カッセルがどんな役なのかはまだ不明ですが、クローネンバーグ+「危険な方式」+ヴィゴ+カッセル=ど〜考えても、ただじゃ終わらないでしょ(笑)。公開はまだ先ですけどね。  
Posted by 真 at 00:15 |livedoor clip!
2010年04月15日

コーエン兄弟|ノーカントリー(2008年日本公開作品)

観たかったのに観てない映画ってけっこうある。コーエン兄弟監督「ノーカントリー」。ま〜バイオレンスです。それもかなりの。バンバン死にます。ガンガン殺します。躊躇なく。有無を言わさず理不尽に。たぶん北野監督の「OUTRAGE」どころの騒ぎじゃないでしょう。ここに登場する殺し屋シガーは悪党とかワルとか極悪非道なんてもんじゃなく、善悪では測れない情緒ゼロの男。完全に逸脱してる。

物語りは、思いがけず手にした大金を持って逃げるベトナム帰りのタフなモスと、それを執拗に追うサイコな殺し屋シガーを中心に進む。そして少し距離を置いて2人を追う昔かたぎの保安官ベル。ベルは時代を憂いて諦め顔なんだけど、終盤で変わるんです。でもね、もうストーリーはあってないようなもの。逃げる追う逃げる追う。圧倒的な迫力で殺しながら追いつめてゆくシガー。もはやなぜ逃げるのかさえ解らなくなってくる。そしてテキサスという背景。そこに全てが飲み込まれてしまうかのよう。

モスとベルには優しい妻がいる。殺されてゆく善良な市民。そこには普通のアメリカがある。だが人物の個人的背景はほぼ描かれず、余計な説明は一切なし。すごい緊迫感で観てて疲れるんだけど、シガーがあまりに超絶すぎてもう釘づけ。残酷なはずなのに観てるうちに抽象的に思えてくる。中途半端な暴力は無く中間が無い。次の瞬間もう死んでいるのだ。その前置きのないバイオレンスの奥から非言語的なものをドーンと受け取る。かなり好きです。高級な映画だと思う。

コーエン兄弟監督作品「ノーカントリー」DVD原題:No Country for Old Men
原作:コーマック・マッカーシー『No Country for Old Men(血と暴力の国)』
製作:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、スコット・ルーディン
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:ジェス・ゴンコール
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン

ノーカントリー Japan Official >>


血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)←原作本:血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)


以下、予告編です。  Continue>>
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2010年04月14日

北野武|アウトレイジ|OUTRAGE

outrage公開まで2ヶ月を切ったね。お帰りなさい!そんな気分。だって何年振りですか?座頭市を除けば、かれこれ10年です。待ったよね。何とかと亀だとか、そーゆーのもいーけども、やっぱこれでしょ。これ。バイオレンスな北野。時代背景や美意識は違えども、一部の日本映画に脈々と流れる冷たいものが、私はたまらなく好き。

しかも今回、椎名桔平(!!!)。これ、ものすご〜く重要です。あ〜んもう、さすがです。椎名桔平はね、い〜よ。いい。ほんと上から目線な言い方になるけど、ちゃんと観てるんだね。当たり前だよね。さすが解ってらっしゃる。

んで、若手が加瀬亮と塚本高史。い〜ね。このキャスティングセンスも好きです。加瀬亮も塚本高史もね、内包してる感じがね、い〜んだよね。予告編だけ観た感触では、北村総一朗も意外にいい感じ。ま〜それ以外のキャストがどーなのかは現状不明。とにかく楽しみすぎます。

このDVDは前売りとセットでツタヤ限定発売されるもので、一昨日から予約開始されてます。公式サイトの右下からもその特設サイトに入れる。

"OUTRAGE" Official site >>  
Posted by 真 at 14:51 |livedoor clip!
2010年03月11日

クローネンバーグ|The Talking Cure

David CronenbergViggo Mortensen
クローネンバーグの次?か、その次(笑)のキャスティングがいよいよ固まってきたようです。昨年からクリストフ・ヴァルツ出演と報じられてたけれど降板したようで、ヴァンサン・カッセルの名前も一部で報道されたけどなくなったようで、どうやらヴィゴ・モーテンセンで決定らしい。例えそれが困った時のヴィゴ頼みだったとしても、クローネンバーグ作品のファンには吉報で。しかもその役はフロイト。“いかにも”が嫌いな私としては、そのギャップにテンションUPです。

で、そのクローネンバーグの新作は、ユングとその患者とフロイトの三人の関係を描いた話で、クリストファー・ハンプトン(英)の戯曲「The Talking Cure」の映画化。「Talking Cure」とは心理学用語の「会話療法」などと訳されるもので、フロイトの精神分析療法の原型になったとされる。ユングとフロイトの関係はすでに有名だけど、そこに美しすぎる患者が登場し、どーするユング。みたいな? ユングとフロイトがどーなるんでしょうか(笑)。

原作の内容は、ユングが自分の患者であるサビーナというヒステリー神経症の若いロシア人女性と恋に落ちる。フロイトを敬愛するユングは彼女の治療にその「会話療法」を使う。そしてその治療の結果にフロイトは喜ぶ。が、しかし…。というお話。ですが、そこはクローネンバーグなので。是非また子供禁止!のR18でお願い(笑)。

今のところ、ユング役にドイツ人俳優ミハエル・ファスベンダー。ユングが恋する患者サビーナ役にはクリストファー・ハンプトン脚本の映画「つぐない」で主演したイギリス人女優キーラ・ナイトレイ。そしてフロイト役が「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」に続いてクローネンバーグ作品常連となったデンマーク人を父に持つヴィゴ・モーテンセン。ってことで、一応、ヨーロピアンなキャスティングのようです。

話は変わるけど「イースタン・プロミス」の続編はいつ撮影するのでしょう…。
昨年クローネンバーグが執筆中だった小説はどーなったのでしょう。誰か教えて。

Viggo Mortensen_2
こんなイケメンのフロイトに…

Michael Fassbender_2
こんなイケメンのユングで…

Keira Knightley_2
こんな美人すぎる患者が…  

○近々公開されるであろうクローネンバーグ作品
2010年 マタレーズ暗殺集団(仮)/The Matarese Circle/原作:ロバート・ラドラム/撮影中/D.ワシントン、T.クルーズ
2011年 ザ・トーキング・キュア(仮)/The Talking Cure/撮影中/ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ
2011年 コズモポリス(仮)/Cosmopolis/原作:ドン・デリーロ(これも楽しみすぎる〜)

○企画されてるらしいクローネンバーグ作品
20XX年 イースタン・プロミスの続編(待ちこがれていますが…)
20XX年 ザ・フライのセルフリメイク(3Dって噂もあるが…恐すぎだろ)  
Posted by 真 at 00:24 |livedoor clip!
2010年02月28日

The Imaginarium of Doctor Parnassus|Dr.パルナサスの鏡

parnassus_1

またお蔵入りかと心配したけど、待った甲斐があったよね。調理の仕方というか絶妙なさじ加減がやっぱギリアム。大好きデス。ザックリ言うと、何世紀も前に悪魔と契約して不老不死を手に入れたパルナサス博士率いる、人気もお金もない旅回り一座にある日、謎の男トニーが現われ、そこから巻き起こる顛末を描いた映画。一座のメンバーは博士、その娘ヴァレンティナ、彼女に想いを寄せる青年アントン、博士の相棒こびとのパーシー。と、途中から行動を共にする記憶がないという男、トニーの5人。

題名にもなってる「イマジナリウム」とは、入口が大きな鏡になってる一座の出し物で、中へ入ると博士が瞑想によって出現させた幻想空間が広がっていて、自分の欲望を具現化した世界を体験できるというもの。簡単に言ってしまえば、修行して瞑想しなくても法を犯してドラッグをやらなくても、トランス状態が得られるっていう、ま〜マトモな商売じゃありません(笑)。んで、罪深い人間は悪魔に導かれてしまって鏡の中から戻ってこられない。ま〜ある意味、誘拐ね。

で、娘ヴァレンティナの16歳の誕生日が迫ったある夜、博士は娘に「おまえの母親に恋をした時、若返って彼女を手に入れるのと引き換えに娘が16歳になったら引き渡すと悪魔と取引をしたのだ」と言う。ヴァレンティナはショックで姿を消すがすぐに戻る(笑)。娘を渡したくない博士の前に悪魔ニックが現われ再び賭けを持ちかける。事情を知ったトニーが手伝うと言う。トニーの正体は?ヴァレンティナの運命は?アントンの恋の行方は?悪魔との賭けの結末は?っていうね。

が、それらはけっこうどーでもよくて(笑)物語りの柱となるのは、パルナサス博士と悪魔のニック。って、この二人、どー考えてもファウスト博士とメフィストだよね。とか、トニーはアントンの短縮形だから同じ名前だよね。とか、ヴァレンティナとアントンってシェイクスピアみたいだし。とか、つい色々と考えが巡ってしまうわけなんだけど、が、しかし、だからどうってことじゃ〜ないのが、それがギリアムだよね。って思う。

見つけやすいソースをあちこちに散りばめておいて、それが重要なファクターのようでトラップだったりする。はたまたトラップのようで、そうでもなかったりする。ってか、究極どっちでも良かったりする。この映画は、ただ驚かせるだけの奇想天外な話でも謎解きの道具でもなくて、物語りの奥のほうから立ち上がった形のないものを観客にそっと渡してくれる。私にとってはそんな映画。だからそれを受け取った瞬間、不意に涙が流れるんだよね。

もはや天使も悪魔も聖人も、変幻自在にカタチを変えて飛び回るギリアムワールドの住人。博士をパーリーと親しげに呼ぶニック。トニーが逝った直後、ニックが博士に「黒魔術はほんとにあるのか」と尋ねる。博士は「そんなものはない」ときっぱりと言う。映画の終盤、バッチリ正装で現われるパーシー。パーシーがいないと何もできないと繰り返す博士。街頭で「イマジナリウム」の縮小版みたいなのをやってる博士を嬉しそうに眺めるニック。も〜ホント好き。世界が終わらない限り、三人の物語りに終わりはないもんね。

Parnassus_2監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン
配給:ショウゲート
2009年 イギリス・カナダ合作映画  
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2010年02月20日

HUBBLE 3D

HUBBLE

科学モノが再燃中ですが、地球上の対象を科学的アングルで淡々と追いつづける映画は昔からあって好きでよく観た。
ハッブルという新たなアプローチも得た今、リアル宇宙な科学モノが完成ね。
日本では公開されるのでしょうか? 予告編は上の画像から。  
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2009年05月13日

El Pasado|The Past

The Past無国籍料理ならぬ、無国籍マンションなんですけど。ココハドコデスカー。欧米か? ま〜いいけどね。香水は控えめにお願い。

で、久々のバベンコ監督作品。ガエル主演のアルゼンチン映画。簡単に言うと、ある男女の歴史の終局を描いたお話。幼馴染みで結婚12年目の夫婦、レミニとその妻ソフィア。二人とも30歳くらいだろうか。映画は二人の離婚から始まって、その後の数年間を描いてる。

2時間弱の上映時間の中で描かれる、その何年もの時間は、バッサバッサと切られ、ガンガン経過する。情緒を排した冷静な視線で、あえて余韻を残さずに切り取ったシーンが、並べられてゆく。映画のラストが「現在」で、描かれているのが「過去」。そんな感じ。

ちなみに離婚の理由は全く描かれていない。だってそんなの、どーでもいいから。始まって進んで終わって、また始まるんだから。その終わってからまた始まるまでの間が、問題なんだよ、たぶん。   Continue>>
Posted by 真 at 00:02 |livedoor clip!
2008年12月11日

1408

1408予定外に時間が空いたので歌舞伎町へ。なんか空気が変わってた。あの下品でどぎついギラギラ感が足りなくて、な〜んかアッサリ。深夜じゃないから? 元気出せよブッキー!!

1999年発表のキング原作の同名小説「1408」の映画化ってことで観たんですけどね。ホラーです。モダンホラー。面白かった〜。単純に面白い!! 恐い!! っていうだけで終わらないのがキング作品ですが、後からジワジワ来る感じがね、ちゃんとあってね、良かったんですよ。ヒューマンな方向とか恐すぎるホラーに振らずにね、キング独特の世界を上手く撮ってたし、映画化のタイミングも今で正解ではないだろーか。

娘を亡くしてから幽霊も神も信じなくなった作家マイクが主人公のお話。小説「The Long Road Home」が処女作のマイクなんだけど、娘の死後は心霊現象のうわさを聞きつけてはテープレコーダ片手に取材してまわる売れないオカルト作家で喰ってる日々。そんな彼が、その部屋に入った者がナゾの死を遂げるというN.Y.のドルフィンホテルの1408号室に足を踏み入れて... 色々と巻き起こるわけ。   Continue>>
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2007年04月04日

Zwartboek(Black Book)

Zwartboek水曜の夕立ち。映画好きには悪くない。案の定、映画館はすいてた。

ポール・バーホーベンの新作「ブラックブック」を観た。端的に言うと良いです。すごく良い。監督の視線がブレてない。貫かれてる。だから観客は安心して映画の中へと入り込める。

1944年、ナチス占領下のオランダ。その時代に生きたユダヤ人女性ラヘルが、家族を殺されてレジスタンスに加わり、スパイとなってドイツ諜報部へ潜入し、正体がバレるが敵に助けられ、味方に裏切られるが思いがけない人に助け出され、そして再び裏切られ…。

その過酷な時代をユダヤ人を主人公に描きながらも、敵と味方、善と悪という単純な構図はそこにはない。誰が敵で味方なのか、はたまたどちらでもないのか…。その渾沌とした時代に生きた者たちを、安いヒューマニズムなど入り込むスキを与えない展開の中に放り込み、同じ人間として描きつつも、「お前らど〜なんだ!!」的な過激な切り返しも忘れてない(もはやキレ芸的な…)。

この、ハリウッドにオサラバして母国オランダで撮った6年振りの新作「ブラックブック」は、コアなファンが期待する、過激で残酷だが重くない「バーホーベン節」は健在だが、いつもの苛立ちとは別に史実に基づいたエピソードを盛り込んで、20年かけて書き上げた脚本はさすがに練られてる。終盤で主人公ラヘルが言う「終わりはないの?」。軽く聞き流せないセリフだよね。

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2007年02月13日

The Road to Guantanamo|僕は妹に恋をする|Marie-Antoinette

GuantanabokuimoMarie

最近観た映画から3本。「マリー・アントワネット(★★★☆☆)」はソフィア・コッポラ監督作品は、くどくなくていい。彼女の描く孤独の感覚が好き。「グアンタナモ、僕達が見た真実(★★★★☆)」は映画祭に出品すると必ず物議を醸す、私の好きなマイケル・ウィンターボトムの監督作品。彼のパンク・スピリットが好き。私はアングロサクソンでもプロテスタントでもないので客観的に観たが、現実に起きた「悲劇」ではすまされない真実。ソフィア・コッポラやウィンターボトムの作品を観る時、ストーリーはけっこうどうでもよくて、毎回彼らが手を変え品を変え描こうとしているものを観たいのだと思う。「僕は妹に恋をする(★★☆☆☆)」はジャニーズ演技派>蜷川経由>映画行き、みたいなマツジュン初主演の最近流行りのマンガ原作モノ。

The Road to Guantanamo ・Marie-Antoinette ・僕は妹に恋をする  
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