2010年04月15日

コーエン兄弟|ノーカントリー(2008年日本公開作品)

観たかったのに観てない映画ってけっこうある。コーエン兄弟監督「ノーカントリー」。ま〜バイオレンスです。それもかなりの。バンバン死にます。ガンガン殺します。躊躇なく。有無を言わさず理不尽に。たぶん北野監督の「OUTRAGE」どころの騒ぎじゃないでしょう。ここに登場する殺し屋シガーは悪党とかワルとか極悪非道なんてもんじゃなく、善悪では測れない情緒ゼロの男。完全に逸脱してる。

物語りは、思いがけず手にした大金を持って逃げるベトナム帰りのタフなモスと、それを執拗に追うサイコな殺し屋シガーを中心に進む。そして少し距離を置いて2人を追う昔かたぎの保安官ベル。ベルは時代を憂いて諦め顔なんだけど、終盤で変わるんです。でもね、もうストーリーはあってないようなもの。逃げる追う逃げる追う。圧倒的な迫力で殺しながら追いつめてゆくシガー。もはやなぜ逃げるのかさえ解らなくなってくる。そしてテキサスという背景。そこに全てが飲み込まれてしまうかのよう。

モスとベルには優しい妻がいる。殺されてゆく善良な市民。そこには普通のアメリカがある。だが人物の個人的背景はほぼ描かれず、余計な説明は一切なし。すごい緊迫感で観てて疲れるんだけど、シガーがあまりに超絶すぎてもう釘づけ。残酷なはずなのに観てるうちに抽象的に思えてくる。中途半端な暴力は無く中間が無い。次の瞬間もう死んでいるのだ。その前置きのないバイオレンスの奥から非言語的なものをドーンと受け取る。かなり好きです。高級な映画だと思う。

コーエン兄弟監督作品「ノーカントリー」DVD原題:No Country for Old Men
原作:コーマック・マッカーシー『No Country for Old Men(血と暴力の国)』
製作:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、スコット・ルーディン
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:ジェス・ゴンコール
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン

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血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)←原作本:血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)


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Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!