2010年02月28日

The Imaginarium of Doctor Parnassus|Dr.パルナサスの鏡

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またお蔵入りかと心配したけど、待った甲斐があったよね。調理の仕方というか絶妙なさじ加減がやっぱギリアム。大好きデス。ザックリ言うと、何世紀も前に悪魔と契約して不老不死を手に入れたパルナサス博士率いる、人気もお金もない旅回り一座にある日、謎の男トニーが現われ、そこから巻き起こる顛末を描いた映画。一座のメンバーは博士、その娘ヴァレンティナ、彼女に想いを寄せる青年アントン、博士の相棒こびとのパーシー。と、途中から行動を共にする記憶がないという男、トニーの5人。

題名にもなってる「イマジナリウム」とは、入口が大きな鏡になってる一座の出し物で、中へ入ると博士が瞑想によって出現させた幻想空間が広がっていて、自分の欲望を具現化した世界を体験できるというもの。簡単に言ってしまえば、修行して瞑想しなくても法を犯してドラッグをやらなくても、トランス状態が得られるっていう、ま〜マトモな商売じゃありません(笑)。んで、罪深い人間は悪魔に導かれてしまって鏡の中から戻ってこられない。ま〜ある意味、誘拐ね。

で、娘ヴァレンティナの16歳の誕生日が迫ったある夜、博士は娘に「おまえの母親に恋をした時、若返って彼女を手に入れるのと引き換えに娘が16歳になったら引き渡すと悪魔と取引をしたのだ」と言う。ヴァレンティナはショックで姿を消すがすぐに戻る(笑)。娘を渡したくない博士の前に悪魔ニックが現われ再び賭けを持ちかける。事情を知ったトニーが手伝うと言う。トニーの正体は?ヴァレンティナの運命は?アントンの恋の行方は?悪魔との賭けの結末は?っていうね。

が、それらはけっこうどーでもよくて(笑)物語りの柱となるのは、パルナサス博士と悪魔のニック。って、この二人、どー考えてもファウスト博士とメフィストだよね。とか、トニーはアントンの短縮形だから同じ名前だよね。とか、ヴァレンティナとアントンってシェイクスピアみたいだし。とか、つい色々と考えが巡ってしまうわけなんだけど、が、しかし、だからどうってことじゃ〜ないのが、それがギリアムだよね。って思う。

見つけやすいソースをあちこちに散りばめておいて、それが重要なファクターのようでトラップだったりする。はたまたトラップのようで、そうでもなかったりする。ってか、究極どっちでも良かったりする。この映画は、ただ驚かせるだけの奇想天外な話でも謎解きの道具でもなくて、物語りの奥のほうから立ち上がった形のないものを観客にそっと渡してくれる。私にとってはそんな映画。だからそれを受け取った瞬間、不意に涙が流れるんだよね。

もはや天使も悪魔も聖人も、変幻自在にカタチを変えて飛び回るギリアムワールドの住人。博士をパーリーと親しげに呼ぶニック。トニーが逝った直後、ニックが博士に「黒魔術はほんとにあるのか」と尋ねる。博士は「そんなものはない」ときっぱりと言う。映画の終盤、バッチリ正装で現われるパーシー。パーシーがいないと何もできないと繰り返す博士。街頭で「イマジナリウム」の縮小版みたいなのをやってる博士を嬉しそうに眺めるニック。も〜ホント好き。世界が終わらない限り、三人の物語りに終わりはないもんね。

Parnassus_2監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン
配給:ショウゲート
2009年 イギリス・カナダ合作映画  
Posted by 真 at 00:00 |livedoor clip!
2008年09月18日

The Imaginarium of Doctor Parnassus

ヒース・レジャーの遺作となった、ギリアム最新作(来年公開予定)のメイキングが、先日から流れ始めた。
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Posted by 真 at 01:26 |livedoor clip!