2010年05月13日

夜になるまえに|ジュリアン・シュナーベル

たとえアレナスが自分の夢見た地から遠く離れた場所で、無一文で独り死んでいったとしても、彼の言葉は、文学となって、強く我々に訴えかけてくる。ーージュリアン・シュナーベル

作家レイナルド・アレナスの回想録的な自伝をシュナーベル監督が映画化。と言うよりも、アレナスの人生を描いた映画。映像が美しくて、余計な解釈や行き過ぎた演出がなくて何にも媚びてない。だからアレナスの憎しみと悲しみと情熱が、大袈裟にではなくて静かに伝わってくる。
映画はアレナスの子供時代から描かれる。彼が大学に進む頃、いわゆるキューバ革命が起き、独裁政権下で芸術家や同性愛者への弾圧が始まる。彼の作品は処女作以外全て発禁。収容所送り。知人に託した原稿がフランスでメディシス賞受賞。無実の罪で逮捕。脱獄。逃亡。再び逮捕。2年間の投獄。ところが1980年、同性愛者、精神病患者、犯罪者の出国をカストロが許可。亡命。N.Y.に辿り着き亡命者生活。HIV発病。
主演のハビエル・バルデムが凄い。クレジットが必要以上に豪華。もちろんアレナス自身がまず凄いんだけど、彼の濃い人生のほとんどの時間をたった2時間ほどに収めて素晴らしい映画にしてみせた監督がほんと凄い。この監督、やっぱすごいと思う。何度観てもいいです。

ジュリアン・シュナーベル監督作品「夜になるまえに」原題:Before Night Falls(2003年/アメリカ/133分)
原作:レイナルド・アレナス『Before Night Falls(夜になるまえに)』
監督:ジュリアン・シュナーベル
製作:ジョン・キリク
脚本:カニンガム・オキーフ、ラサロ・ゴメス・カリレス、ジュリアン・ジュナーベル
撮影:ハビエル・ベレス・クロベ、ギジェルモ・ロサス
音楽:カーター・パウェル
出演:ハビエル・バルデム、オリヴィエ・マルティネス、
   ジョニー・デップ、ショーン・ペン、アンドレア・ディ・ステファノ、
   エクトル・バベンコ、イェジー・スコリモフスキ、ディエゴ・ルナ

レイナルド・アレナス『夜になるまえに』

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